私はホーチミンの生まれです。もともとはサイゴンと呼ばれていて、いまだに多くの人々にとってはその名が親しまれています。わが街を表すときによく使われる形容詞はダイナミック、眠らない街、若く勢いがある、喧騒に満ちている、多すぎるバイクの量、ムシムシしている、かと思えば打って変わって身を切るように寒い、落ち着ける、謎に満ちていて多くの歴史がある。まあそんなようにたくさんの言葉があります。今ホーチミンにきたら間違いなくダイナミックで常に変貌を遂げている街だと考えるでしょう。しかし、もう少しゆっくりと目を凝らして街を探訪してみてください。そうすると実は街角、通り、屋台などあまり意識しないところに深い歴史が眠っていたりするのです。サイゴンはかつてフランス植民地に置かれていた頃は「極東の真珠」と称され、現在はベトナム中からそれはそれは多くの人々が職探し、事業立ち上げ、もしくは単純により良い生活を求めてやってきます。この街の人々はよくゆったりしている、寛大、開放的と言われます。実はそれにはこんな理由があるのです。私に歴史を教えていた先生はかつてこんなことを言っていました。「ここで多くの作物や野菜が育つのは南部の恵まれた天候とメコン川のおかげだ。多くの食べ物と自然災害がほとんどないので、南部の人々は特に食べ物のことを心配する必要もなく過ごしているんだ。だから彼らは落ち着いていて、寛大なんだ。」と。人々はよくサイゴンは多民族かつ多国籍な都市だといいます。確かにそうです!もし私が言っていることが信じられなければこのリストを見てください。これらはよく言われるものばかりですが、もちろん例外や変化があります。サイゴンには24の区画があります。一番街には多くのフランス植民地時代の面影が残っています。例えば劇場、動物園、古い商店街、市役所、サイゴン大教会、統一会堂などです。2番街と7番街には多くの新しいカフェ、レストラン、ショッピングセンターやインターナショナルスクールがあり、西洋からの人々は大体このあたりに住んでいます。面白いことに、7番街には多くの観光人駐在員も居を構えています。5番街は一般的にはチョロンと呼ばれています。ここはもともと、今のベトナムでは少数民族であるホア族がすんでいました。彼らは仕事を求めてベトナムにすみ着いた中国人の子孫と言われています。8番街は最大のキリスト教人口を誇ります。9番街は多くの「流れ者」つまり、工場労働者や他地方から来た大学生が多くいます。10番街にはカンボジアにルーツを持つ人々が最も多くおり、そこには美味しいカンボジア料理にあふれている特筆すべき市場があります。
24つすべての区画について説明はしていませんが、もうお分かりでしょう。全て列挙したくても、多いのでそれは無理です。先ほども言ったようにもちろん例外や変化はあります。何しろこのご時世、人々の流れを活発にする手段がたくさんありますからね!要するにサイゴンという街はその多様性や過去現在未来が混ざった特性から一瞬にして理解できる場所ではないのです。だからぜひこの街に来る時には、たくさんの時間を取ってくださいね。
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